利息の上限については「利息制限法」(年利15~20%)という法律がありますが、
最近まではほとんどの金融業者が、この法律に定められた値より多い利息である「グレーゾーン金利」(年利20~29.2%)で貸付を行っていました。このグレーゾーン金利については、平成18年1月に、
最高裁で事実上「無効」とする判決が下されています。また、同年12月の貸金業規制法改正により、
グレーゾーン金利の廃止が決定しています。
つまり、グレーゾーン金利は
支払い義務がない「払いすぎ利息」なのです。
債務整理では、この不当に支払わされていた利息について再計算し、残元本に充当する事で借金総額を減らします。返済期間が長い場合は、引きなおし計算の結果借金がなくなり、さらに払いすぎの金額が発生する事もあります。この払いすぎ分を「過払い金」と呼びます。
「過払い金」は本来まったく支払う必要のなかったお金ですので、取り戻す事が出来ます。これを「過払い金返還請求」と呼びます。司法書士が債務整理を受任すると、まず業者から過去の返済内容を取り寄せます。これを元に適正な利息で返済金額を再計算し、その結果過払いが発生している場合は、業者に返還を求めます。業者が任意の話し合いで返還に応じる場合は和解を締結し、話し合いに応じない場合は業者に対し訴訟を起こし、裁判で争うことになります。
2006年12月の法改正により、グレーゾーン金利は違法となり、2009年末を目処に廃止が決定していますので、近年では法定利息内の返済条件に変更する業者が増えています。
そのため、今は金利が適正になってしまったので、債務整理や過払い金返還請求に意味がないのでは?と誤解をされている方もいらっしゃるようです。もちろん、そのようなことはありません。債務整理では「過去の払いすぎについて返還を求める」ので、たとえ現在の金利が適正であったとしても、過去にグレーゾーン金利での返済を行っていた場合、その払いすぎた利息を返してもらい、借金を少なくする(もしくは取り返す)事ができます。